新庄徳洲会病院

menu

<

掲載日付:2026.04.22

Vol.311-1 新入職員へ-1

 4月になり12人の仲間を迎え、例年のように「病院で働くということ」というタイトルでお話をしました。伝えたいことが多すぎて予定を30分も超過してしまいました。昨年の4月のコラムで紹介した「仕事上では絶対に嘘はつかないで」という話以外の内容を2回に分けて紹介します。

①明るく挨拶、感謝と謝罪
 私は当院に赴任するまでは、顔見知り以外には挨拶ができない人間でした。ところが当院では職員同士だけでなく、患者さんやその家族に対しても普通に挨拶する職員が多いことに影響され、何とか人並みにできるようになりました。挨拶は相手に届かないと何もしていないと同じなので、できるだけ自分から、目を合わせてはっきりと声を出すように心がけています。もう一つ心がけているのは、弱い立場の人ほど丁寧に対応し、名前は必ず「~さん」付けで呼ぶようにしています。些細なことへの感謝も「ありがと」や「サンキュ」と言うことや、カッとしやすい私は、自分が悪かったときの謝罪も早めにはっきり伝えるように努力しています。

②入力(インプット)・出力(アウトプット)・フィードバックの繰り返し
 仕事上に必要な知識は、読書や勉強会などを通じて自分の中に吸収することが多いのですが、残念ながら入力するだけでは定着しません。それを他者に向けて言葉や文章として出力することで知識は整理され定着します。実は、出力することは入力に勝るとも劣らず重要です。そして、出力した結果の反応を再度受け止めると新たな発見があり、真に自分のものとなります。若者にとって年長者は教えてもらう存在ですが、年長者も教えることを通して成長することが教える側になると実感できます。つまり教育とは、双方向に機能して初めて教育と言えるのです。

③自分にあった仕事?
 始めから若者が、自分の適性にあった仕事に就いて、才能を発揮し成果を上げて、満足する報酬を得ることはほぼ不可能です。やってみないと能力や適性はわからないことが多いので、とりあえずはやってみるしかありません。ある高名な外科医が「自分は一度も手術で合併症を起こしたことがない」と言っていましたが、私は合併症を絶対に起こさない方法は一つしかない、それは手術をしないことだと教えられ、40年以上の外科医の経験から自分でもそう確信しています。自分にとって好ましくないことから、実に多くのことを学ぶことができました。ただ、我々の仕事では大失敗は絶対に避けなければなりません。大失敗とは取り返しのつかない失敗のことです。自分に厳しくなるということは、謙虚な姿勢で目の前の不都合な現実に向かい、自分が関係しているという前提で考えることだと思います。失敗から学ぶことを肝に銘じてください。
 誰しも何かを始めるときには、期待と不安が入り混じっているはずです。達成できなかったときの悲しみや怒り、できたときの喜びは人を成長させます。好きなことを仕事にできる人は稀ですが、仕事を好きになることは、それほど難しくありません。好きになると夢中になり、得意になれます。何か一つでも好きになれそうなことがあればそれを大事にしましょう。まわりから褒められることで、自分の得意分野に気づくこともあります。現代社会では、時間を忘れて仕事をすることは悪で、それを強要することは犯罪とされていますが、時間を切り売りして、生活費を稼ぐために働くと、仕事はつまらなくなります。仕事は、自分のかなりの時間を費やすものなので、人生の無駄とも言えます。労働というものは、西洋では古代ギリシアの時代から奴隷がするもので、労働=苦役でしたが、我が国では美徳とされてきました。これは私たちが誇るべき民族の特徴です。時間を気にせず収入を最優先にせずに仕事ができて、私は幸せでした。


menu close

スマートフォン用メニュー