新庄徳洲会病院

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掲載日付:2023.04.13

Vol.261 昨年の超過死亡が激増

 『死者数が例年の水準をどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」が、令和4年に最大約11.3万人に上ったとの推計を国立感染症研究所などが5日、明らかにした。3年の最大約5万人から倍増し、新型コロナウイルスの流行が影響した可能性がある。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織の会合で示された。』と報道されました。「超過死亡」とは、死者が前年よりいくら増えたかではなく、過去のデータから週毎に算出した予想死亡数の上限値・中央値・下限値と実際の死亡数の差のことで、予想の中央値より11.3万人多くの人が死亡したということです。

 超過死亡数は、過去に5万人を超えたこともありましたが、2006年以降は数千人でした。これが一昨年は5万人を記録したのに続き、昨年は11万人を超えたということで、明らかに異常事態です。米国の医学雑誌では、我が国の2020年から2年間の超過死亡は11万人を超えるとも指摘されています。2022年にはそれまで伸び続けていた平均寿命も、東日本大震災のあった2011年以来短縮しました。2020年以後に超過死亡が観察されたのは、2021年4月以降で、2022年になり顕著になりました。この傾向は今年になっても更に強まっています。

 専門家はその原因を新型コロナに求めようとしていますが、新型コロナの死亡者数は、2020年が約3400人、2021年が約14900人、2022年が約38600人です。コロナ死者数は、死亡時に検査陽性者の数なので、かなりの水増しがあり、ひいき目に見ても「コロナ関連死者数」ですが、それでもこの超過死亡の激増は説明できません。コロナのために医療崩壊が起こったから必要な医療を受けられずに亡くなった人が増えたという指摘もありますが、医療逼迫が起こった流行期と超過死亡の間に相関関係はありません。コロナ対策により大混乱に陥った医療機関はあり、それは検証すべきですが、死者激増との関連はさほどはないと考えるのが妥当です。確かにコロナに感染したために、体力や免疫力が低下して死期を早めたという可能性はありますが、なぜか行政も専門家もワクチンが関係したということは否定し、ほとんどのメディアも取り上げません。ワクチン接種は2021年2月から始まり、その後も推奨され続け、国民の78%が1回以上、68%が3回以上接種しています。高齢者に限定するとこの数字は93%と91%になります。増加した死因は心血管系疾患と老衰で、高齢者や基礎疾患のある人が早く死んだというイメージです。接種回数が増えるにつれ、ワクチンの影響は強くなるので、免疫系の変化が高齢者の衰弱や基礎疾患の悪化をもたらした可能性を除外するのは正気の沙汰ではありません。

 ワクチンを接種していなかったら更に大きな被害があったという考え方を否定することは困難で、結局のところ原因不明として幕が降ろされると思います。今回のワクチンには重症化や死亡を減らす効果はあったかもしれませんが、効果よりも失ったもののほうが大きいような気がしてなりません。免疫系に及ぼす影響が強いことは間違いありませんが、そのため感染防御以外に与える人体への影響が強すぎると思います。ワクチン以外にも、過剰とも言える感染対策の強要を同調圧力を利用して行ったことはきちんと検証されるべきです。マスクの強要で得たものは、失ったものより大きかったでしょうか。「お金より命が大事」という誰もが否定できない宣伝文句を使って進めた極端な行動制限や経済活動の自粛は、経済的損失にとどまらず人命にも直結したのではないでしょうか。ゴキブリが出たからと言って、火炎放射器で住居を焼き払っているように見えて仕方がありません。来月にはようやく5類にされますが、私の意見は「普通のカゼ」として扱うので十分。カゼは万病のもとですが、共存するしかありません。普通のカゼには未知のワクチンを射つよりも、自然免疫を高める生活習慣を身につけて普通に生活すべきです。


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