新庄徳洲会病院

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掲載日付:2013.12.30

Vol.100 全国三役会議が行われました

 12月22日に都内で徳洲会グループの病院長・看護部長・事務長会議が行われました。9月と11月に中止された経営戦略セミナーに代わるもので、選挙違反事件以来初めての全国レベルの集まりでした。通常は参加するはずの取引銀行グループは、不参加でした。

 話し合われた内容は以下の4点にまとめられます。

1 公選法違反について
 ・司法判断が出るまでは一切コメントしない(司法判断が出たらコメントを出す?)

2 MS法人について
 ・MS法人と医療法人は完全に別組織になった
 ・徳田虎雄氏が社長を続けるのはやむなし(というより当然?)
 ・徳田家親族が社員として残ることは、医療法人側としてはどうしようもない
 ・第三者委員会の評価によって取引の透明性を保つ(利益率を5-10%に是正する?)

3 僻地離島医療について
 ・これまで以上に病院間の応援をお願いする

4 徳洲会グループの社会への意見表明について
 ・マスコミは徳洲会を悪者と決めており、モラルもないので、全く信用出来ない
 ・今は何を言っても悪意を持って伝えられるので、記者会見などの予定もない


その上で私の感想です。

1 公選法違反について
 鈴木理事長は公選法違反について意見を述べることは、捜査妨害になりかねないと言いますが、組織の長としてどのように考えているのかさえも述べられない理由が私にはわかりません。スターン美千代被告のコメントにさえ触れられなかったのは大変残念でした。

2 MS法人について
 徳洲新聞では事件後も一貫して徳田虎雄氏が傑出した人物であったことを強調してきましたが、そのような態度は、少なくとも徳洲会以外の人の共感を得られるものではありません。過去に偉大な業績があっても、現在彼が徳洲会という組織にもたらしている不利益を考えるべきだと思います。
 虎雄氏は早急に社長を退任すべきです。医療法人として直接それができなくても、MS法人の唯一の顧客として圧力は掛けるべきです。つまり、医療法人側が取引を停止すれば全てのMS法人は存在し得ないのだから、正当な圧力はかけるべきではないかということです。このことはその場で発言しましたが、回答はありませんでした。
 唯一今までより突っ込んだ発言として、株式会社徳洲会の利益率を5-10%にするという具体的な数字が出たことは評価に値します。

3 僻地離島医療について
 「生命だけは平等だ」という理念を、実際に派遣される医師たちに押し付けても、モチベーションは上がりません。徳洲会は理念に共鳴して集まった組織ではなく、徳洲会で働く人々に理念を共感してもらえるようにしなければならないはずです。そのためには今回の選挙違反事件は全て非を認めるべきです。目的が正しければ、手段はどのようなものでも正当化されるという考え方は、理念への共鳴を妨げるのではないでしょうか。
 確かに僻地離島医療は危機に瀕していますが、都市部の病院も容易ならざる事態になっています。ある病院では来年度末に退職を希望する看護職員がこれまでの2倍以上出ているそうです。それに見合う新入職は望めません。いろいろな病院が大変な事態に直面しているのです。
 これまでのようなやり方は通用しません。以前から述べているように、徳洲会グループの大型化に歯止めをかけなければならないのではないでしょうか。とりあえず新規の病院建設を見直すなどの根本的な方針転換をすべきと考えます。
 また、医師以外の職員の待遇面の改善も不可欠です。それができなければ、当院の看護職員の離職も続くと思います。

4 徳洲会グループとしての意見表明
 どれだけ叩かれようが逃げずに話をしていると少なくとも何分の一かは伝わるはずです。都知事を辞職した猪瀬氏の会見の映像を通して最も強く伝わったことは、話した中身ではなく、嘘をついているということです。真摯な対応を続けていると、嘘はついていないということはいずれ伝わるはずです。美千代容疑者以外は誰も心のこもった言葉を発信していません。毅代議士に至っては、未だに雲隠れの状態です。そのような我々にモラルを語る資格はあるのでしょうか。
 世論が正しいのではないという鈴木理事長の発言はそのとおりですが、だから世論を無視してよいというものではありません。もし徳洲会が株式会社なら株価は暴落して、株主から執行部は総退陣を迫られたでしょう。


 以上いろいろと書きましたが、徳洲会は変わらなければならないということは、鈴木理事長も述べているとおりです。問題はどのように変わるかです。それは、社会から受け入れられる形で、理念を維持するということだと思います。本来徳洲会が政治活動を行うのは、本業である医療活動を広めるための手段だったはずです。ところが、組織が肥大化するにつれて、医療活動が政治活動の手段になってしまったのではないでしょうか。毅氏に派閥を作らせ、自民党総裁を目指すということが最優先の目的になっていなかったかという問いに、虎雄氏はどのように答えるのでしょう。毅氏が総理になるという目的が正しければ、やはり手段は間違っていてもよいと言うのでしょうか。

 失ったものの大きさを、我々は深刻に受け止めなければならないと思います。

院長 笹壁弘嗣
平成25年12月30日(月)


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